退職金制度の見直しと中小企業の問題解決

裁判事例 その2

臨時工であっても正社員同様に勤務していた期間は、退職金計算に当たり通算されるのか

正社員登用前の5年弱の臨時工期間中、正社員と同様の仕事に従事していた場合で  あっても、退職金計算期間の算定にあたっては、正社員に採用されて日から算定する ものとされた事例

<昭和54.7.27 東京高裁判決 日本Oエレベーター控訴事件>

判決の要点
{退職金計算にあたり臨時工期間の通算の要否}

1.原告は、昭和31年4月実質的には正社員として被告会社に入社したものであると主張し、被告会社は、原告は昭和36年2月に正社員に採用された(昭和31年4月から昭和36年1月までは臨時工)ものであると主張するので、この点について判断する。

 

2.被告会社の従業員はいわゆる正社員のほかに臨時工等臨時的に期間を定めて雇入れられる者がおり、臨時工について退職金制度はなく、臨時工から正社員に採用された場合には、臨時工であった年数は退職金額計算の基礎年数に算入されないものであること、原告は昭和31年4月臨時工に採用され、その後臨時工としての雇用契約が更新され、昭和36年2月正社員に採用されたことが認められる。

 

3.原告本人尋問結果中には、原告が臨時工として働いていた当時と正社員となった後でと仕事の内容はまったく同じであったとの部分があるが、仮に仕事の内容に大差がなかったとしても、直ちに臨時工当時の身分を正社員とみるべきであるということにはならない。
原告は臨時工、正社員の期間を通じて労働条件に全く変化がなかったと主張するが、給与の計算・内容において全く相違していることは明らかであるから、その主張は理由がない。
したがって、退職金の計算基礎となる在職年数は上述正社員に採用された日から昭和52年8月18日までとすべきである。