退職金制度の見直しと中小企業の問題解決

税制適格退職年金制度が抱える問題とその対策 その5

税制適格退職年金の積立残高管理の仕組み

確定給付型である税制適格退職年金の積立残高の管理方式は、一般的に一括管理しているところがほとんどです。
一括管理とは積み立て資金を個人ごとに管理しているのではなく、会社全体でいくらの積立金がありますというように一括で管理するものです。
また、退職一時金及び退職年金の支払いに際して、積立金からの支出は先取り方式となっています。

 

残高一括管理と先取り方式を以下の図を使って説明していきます。

適格年金

 

平成19年では年始の積立金が300,000千円あり、保険料の収入と退職金支払いの後の期末積立金は260,000千円となりました。
これを繰り返し、平成22年の退職金150,000千円支払後には30,000千円の不足となってしまいました。
これが積み立て不足による退職金資金の枯渇です。
このように平成19年から平成21年までに退職金を受け取った退職者には何も影響はありませんが、平成22年の資金不足の対象となってしまった退職者から影響が出始めるのです。まさに早い者勝ちです。

 

退職金は一時金として受け取る方が多いですが、年金形式で受け取る方もいます。
しかし残高一括管理方式では年金支払分を別枠で確保していないので、上記の図で行くと平成22年から受け取れなくなる可能性が出てきてしまいます。

 

上記の図は大幅に省略してありますが、収入には保険料の他に保険収益(一時期は保険収益がマイナスであったため、収入を更に減らす要因になっていました)があります。
支出には退職金として退職一時金と退職年金があります。
また事務手数料や特別法人税(現在は凍結中)などもあります。
このような残高管理の仕組みが会社に適しているのか、検討する必要があるでしょう。