退職金制度の見直しと中小企業の問題解決

税制適格退職年金制度が抱える問題とその対策 その3

運営コストの問題

税制適格退職年金契約における運営コストには事務手数料があります。
税制適格退職年金は企業単独では運営することが非常に難しい退職年金制度ですので、運営機関(生命保険会社や信託銀行など)の制度運営コストを考えますと事務手数料の徴収は当然のことでしょう。

 

そもそも退職金を年金形式で支払うことが、会社の退職金制度運営の目的と合致しているのかという点についても充分検証する必要があります。

 

事務手数料について少し説明しておきます。
今回は中小企業で導入実績が高い生命保険会社での税制適格退職年金契約のケースで説明します。
ある税制適格退職年金契約では管理費用として保険料と積立金に対して付加保険料(保険事務費)が徴収されています。
保険料に対する付加保険料として払込保険料と合算して支払うものと、積立金に対する付加保険料として保険年度に積立金から控除されているものがあります。
契約者が事務手数料を徴収されていることを認識していないと、知らぬ間に保険料と合算して手数料が徴収されて、更に積立残高からも控除されているなんてこともあり得るのです。

 

以下はある会社の税制適格退職年金契約を検証したものです。

適格年金

 

このように保険収益がマイナスにもかかわらず、事務手数料が徴収されているため財政が更に悪化している契約も実在します。
また積立不足の発生を理由に保険料の引き上げを行えば保険料の上昇と積立残高の増加となりますので、事務手数料が更に増加することも知っておく必要があります。