退職金制度の見直しと中小企業の問題解決

税制適格退職年金制度が抱える問題とその対策 その2

予定利率と実質利率の乖離

税制適格退職年金には予定利率と実質利率がかけ離れている契約が多く存在します。
以下の表は税制適格退職年金の予定利率を年度毎に表したものです。

予定利率

 

この表からも分かるように、平成8年度までは予定利率は5.5%と定められていました。
その後予定利率の下限が設定されるようになり、一定の範囲内で定められるようになりました。
予定利率の下限が定められるようになったのは、運用環境の悪化が原因と考えられます。

 

予定利率5.5%の契約は実質利率が5.5%よりも下回った場合には、予定利率を引き下げないと積立金が不足してしまうのです。
予定利率を引き下げるということは、毎月の掛金(保険料)が高くなるということです。
近年の下限利率を見ますと1%台ですから5.5%の4分の1以下となっていますので、当然に掛金(保険料)も大幅に増えるということなのです。

 

このように実質利率が予定利率よりも下回ると積立不足が発生する仕組みとなっているのです。
最近になり株式相場も上昇し安定も見られますが、それまでの運用環境を考えますと実質利率は厳しい数値であったことは明白です。

 

対策としますと、税制適格退職年金契約を継続するメリットはほとんどないと考えますので、掛金(保険料)の引き上げという選択はないでしょう。
よって今まで発生した積立不足をどのように補填するかがポイントになります。
しかし、その対策方法は積立不足の金額や積立不足が発生した時期により異なりますので一概には言えませんが、積立不足の金額が大きい場合には退職金制度全体の見直し、特に給付水準の見直しが必要になることが考えられます。