退職金制度の見直しと中小企業の問題解決

法律改正未対応 - 改正高年齢者雇用安定法概要その3

継続雇用制度の対象者に係る基準

継続雇用を導入する場合は、原則として希望者全員を対象とすることが求められますが、各企業の実情に応じ労使の工夫による柔軟な対応が取れるよう、労使協定により継続雇用制度の対象者となる高年齢者に係る基準を定めたときは、この基準に該当する高年齢者を対象とする制度を導入することも認められています。

 

このように労使協定で基準を定めることを求めることとしたのは、継続雇用の対象者の選定に当たっては、企業によっては必要とする能力や経験等が様々であると考えられるため、労使間で十分に話し合い、その企業に最もふさわしい基準を労使納得の上で策定するという仕組みを作ることが適当であるという理由からです。
「基準」の策定に当たっては、労使間で十分協議の上、各企業の実情に応じて定められることを想定しており、その内容については、原則として労使に委ねられています。

 

※ただし、労使で十分に協議の上、定められたものであっても、事業主が恣意的に特定の対象者の継続雇用を排除しようとするなど高年齢者雇用安定法の改正の趣旨や他の労働関連法規に反する又は公序良俗に反するものは認められません。

 

継続雇用制度の対象者に係る基準で適切でないと考えられる例

 ・「会社が必要であると認めた者に限る」 「上司の推薦がある者に限る」
   基準がないことと等しく、これのみでは改正高年齢者雇用安定法の趣旨に反するおそれがあります

 

 ・「男性(女性)に限る」 「年金(定額部分)の支給を受けていない者に限る」
   男女差別に該当するおそれがあります

 

 ・「組合活動に従事していない者」
   不当労働行為に該当するおそれがあります

 

継続雇用制度の対象者に係る望ましい基準

継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準については、以下の2つの観点に留意して策定されたものが望ましいと考えられています。

 

観点@:意欲、能力等を具体的に測るものであること(具体性)
労働者自ら基準に適合するか否かを一定程度予見することができ、到達していない労働者に対して能力開発を促すことができるような具体性を有するものであること。

 

観点A:必要とされる能力等が客観的に示されており、当該可能性を予見することができるものであること(客観性)
企業や上司等の主観的選択ではなく、基準に該当するか否かを労働者が客観的に予見可能で、該当の有無について紛争を招くことのないよう配慮されたものであること。

 

労使間で合意が得られなかった場合の特例措置

事業主が労使協定のために努力したにもかかわらず協議が調わないときは、特例措置として、大企業の事業主は平成21年3月31日まで、中小企業の事業主(常時雇用する労働者の数が300人以下である事業主をいいます。)は平成23年3月31日までの間は、就業規則等により継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入できることとしています。

 

この場合には、特例措置期間内は措置を講じたものとみなされますが、引き続き労使協議を続け、特例措置機関が終了するまでの間において、できるだけ早期に労使間の合意を得るように努める必要があります。